世界(人口)の中心はアジア・アフリカとなる。さあ、波に乗ろう!

経済学者でオンライン講師としても有名なマウロ・ギレンさんの「2030 世界の大変化を「水平思考」で展望する(2021)」を読みました。

これから10年で世界の中流階級が増え、AI や3D プリンター、ナノ粒子、ブロックチェーン技術などの急速な発展も相まって世界は激変すると見込んでいるそうです。もしその様な世界が来た場合、我々は一体どのように向き合ったらいいのかに関し、やや抽象的に議論している本でした。

個人的に気になった部分だけをまとめます。

 

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 世界(人口)の中心はアジア・アフリカとなる 

東アジアや欧州、アメリカで出生率が低下する一方、アフリカや中東、南アジアでは出生率の低下がもっと緩慢なペースで進むため、世界の経済的、地政学的な勢力均衡はシフトする。

2030年に焦点を合わせよう。その年になる頃には南・中央アジア(インドを含む)は人口規模で世界1位を確実にしているだろう。2位はアフリカ、僅差で東アジア(中国を含む)が3位に後退する。東南アジア、カンボジア、インドネシア、フィリピンタイなどが4位、ラテンアメリカが5位と続いて、1950年に世界第2位を誇った欧州は6位に転落することになる。

このような大きな変化がいくらかでも緩和するとすれば、それは国境をまたいだ移住によってかもしれない。しかし移住は人口動向の大きな流れを妨げることはなく、私たちが知る今の世界が終わることに変わりはない。

 

 

 インドの躍進と中国の限界 

今のところ世界の大部分のミドルクラス(世界的に1日10~100ドルの収入がある個人をミドルクラスとする。)を抱えるのはアメリカと欧州だが、2030年になる頃には世界の消費購買力(インフレ調整後)の半分以上を中国やインド、アジア全域(日本を除く)が占めるだろう。

ところが複数の動向が示すのは、中国のミドルクラス市場が購買力の点で世界最大を誇るのはあと10年か、せいぜい20年だということだ。2030年には高学歴化の進むインドの若い人口がその成長可能性ゆえ、最も魅力的な新興市場になっているだろう。

 

 

 働き者の日本女性 

出生率の低下は、仕事に復帰したい世の主婦たちにまたとないチャンスを与える。その理由は、人口の高齢化に伴い、適切な能力を持つ人材が縮小の一途をたどるからだ。この数十年というもの、高い学歴を持つ沢山の日本人女性は、結婚して家庭に入った。そして今、企業は必死になって欠員を埋めようとし、女性達は大挙して職場に戻り始めている。

2018年の時点で、24歳以上の年齢層で、家の外で働く女性の割合はアメリカより日本の方がはるかに高い。日本では、労働の年齢の女性の71%が有給で働く。この数字は、ここ数十年で一番高く、世界でも最高レベルだ。過去10年の動向考えれば、2030年になる頃には日本の女性の労働率は約86%という日本人男性の数字に近づくかもしれない。しかしながら男女の賃金差別は未だに蔓延し、家に帰ればほとんどの家事と育児は女性の担当だ。

「男性の意識は今も低いままです」2人の子供を持つグラフィックデザイナーの女性は、不満を口にする。「私の夫に男女平等という概念はありません」

 

 Let’s Surf、波に乗ろう 

2030年に向けて準備をするのにはまだ手遅れではない。まず不可欠なステップとして理解すべきは、私たちの知る今の世界が、私たちが生きてる間にーおそらく今後10年のいつかの時点でー、取り返しがつかないほど消失してしまうことだ。そう覚悟しておけば、世界の常識を疑うようになり、これまでの前提や考えを重視しなくなる。そしてその代わりに、水平思考の相互作用に目を向けることになる。そのための方法は本書で述べた通り、岸辺を見失い、アイデアを多角化させ、漸新的なステップを踏み、選択肢を残しておき、楽観主義に焦点を合わせ、希少や不足を恐れず、追い風に乗ることだ。そして肝に銘じてほしい。もはや元に戻ることはないのだ。私達の知る世界は変わろうとしている。私達の世界が近いうちに元に戻ることはあり得ない。ルールは変わりつつあるーそう、永遠に

 

 Tochiの勝手な感想 

やや技術革新を偏重しすぎている気はしたものの、世界は変わり、いくら郷愁を覚えようとも決して元には戻らないという点は納得できました。

そして政治も国民も変化をひどく嫌うのが日本の国民性。言わずもがな、日本はすでに世界の流れからかなり乗り遅れていますが、2030年にもなるとこれがさらに進むことでしょう。

もはや先進国として生き残ることは叶わないでしょうが、それとは別に個人は知恵を絞って生き残らなければなりせん。どうすればいいのでしょうか?とりあえずサーファーにでもなりますか 🤔

コメント

  1. Mineyuki より:

    Tochiさん、こんにちは!
    インドはいいかもしれませんね。
    インドの株価指数のインドSENSEXのチャート見たらいい感じに上昇してて買いたくなりました。どこで買えるか知りませんが。。。

    • Tochi より:

      Mineyukiさんこんにちは~!

      インドだとINDA、EPI、INDYが資産上位3位みたいですね。やや信託報酬が高い(0.69~0.9%)のが欠点ですが、分散の意味で10~20年後を見据えた長期で握るにはいいかも知れませんね!

      SBIならEPIだけは買えるみたいです。う~むどうしようかな・・(悩)

  2. 匿名 より:

    Tochiさん、情報ありがとうございます!
    インドのETFちょっとだけ買ってみます!

    • Tochi より:

      中間層の購買力比率を見ているとインド(とアフリカの一部の国)はここから急上昇が予想されていますからね、案外マジでいいのかも知れませんね!

      でもそんな話は結構前にも言われていて、その後は続かず、結局米国の方が伸びてBRICsなどはイマイチ冴えないので、いつ急拡大の時期が来るのかの予想はかなり難しいのかも知れません。

      つい最近Youtubeで「たばぞうさん」も仰っていましたが、新興国投資は経費率や為替変動が大きくて投資したことを後悔したそうです。今は経費率は1%以下まで下がっていますが、それでもS&P500の0.03%などと比べると高すぎますし、ナスダック100ですら0.2%、なんならレバナス(TQQQ)の0.8%よりも高い奴もあるのでなかなか悩ましいですね!

      新興国だと大企業は少ないので、案外ETFの組入上位銘柄のいくつかを個別株で握る様な方法でもいいのかも知れませんね。その場合、アメリカ市場にも上場していてくれれば助かりますが、本国で買わないといけないと為替や何やでかなり面倒くさそうではあります。いやいっそ新興国ETF(中国除く)みたいのでがばっと拾っておいてもいいのかも知れませんね(なんせ面倒くさいし)

      それにしても未来の日本の縮小っぷりが・・・エグい!!!

  3. ほんと日本の保守性だけはどうにもならないみたいですね、変化を嫌うというかアレルギーレベルな感じ。
    それでも世界は変わっていくので日本だけが取り残されていくのかもしれませんね。
    でも今は投資もなんでも個人で勝手にグローバル化する事はできるので、個人として勝手に変化して生き残っていくまでと思っています。

    新興国への投資はETFの1658を少々持ってる程度です。

    • Tochi より:

      招き猫の右手さん、こんばんは!
      MSCI 新興国株 ETF(1658)!?日本でこんなの買えるとはイイですね!

      自分も新興国ETFにはその内投資してみたいです。今は米国に全部突っ込んでいるのですが、いつまでも米国が良いわけでもないだろうし、少しは分散させたいです。

      それにしても日本はホントに保守的ですよね(笑)
      これが驚くことに老人だけではなく、若者までなりたい職業No1が公務員で自民党支持者が多いということなのでちょっともうどうしようもないかも知れませんね・・。

      例えばバブルのときは多くの現役世代が希望を胸に田舎から都会に移住までした訳ですから、必ずしも日本人の性質ということだけではなく、失われた30年で将来に悲観的になりすぎて経済だけではなく精神まで保守的になってしまったということなのでしょうかねぇ。

      まぁなんにせよ、個人で何とか楽しく生きるしかありませんよね!