今のドル円は一体何で動いているのか?米10年債かダウか利上げ見通しか?

今後数ヶ月の日米貿易交渉で為替条項を飲むことになりそうだという観測や、米国の量的緩和の縮小は9月で終了、利上げは当分延期でむしろ利下げが意識されるなど円高に進みそうな材料が多いにもかかわらず、長らく111~112円で膠着するドル円。上値は確かに重いのですが、材料からするとむしろ底堅さの方が印象的です。なぜなのでしょうか?


 ドル円の動きと影響因子 

tradingview・ドル円・日足 2017~

年始にフラッシュ・クラッシュで(このチャートでは)105円程度まで下落して以降はほぼ右肩上がりの円安です。この前後でドル円と相関が高いとされる10年債利回りはどの様に動いたのでしょうか?

tradingview・米10年国債利回り・日足 2017~

意外なことに、こちらは昨年末に3.2%を超えて以降はほぼ右肩下がりです。とはいえ、2018年の年始から5月くらいまでは金利は上昇しているにもかかわらずドル円は105円を切るまで下落していますので(その後上昇してピークを付ける)、数ヶ月のレベルでは必ずしも相関が高いとは言えなそうです。ではドル円は一体何に影響を受けているのでしょうか?

tradingview・ダウ・日足 2017~

2018年以前はダウとの相関はあまり見られませんが、それ以降はダウがピークから下げた際に一気にドルが売られているようです。ダウはほぼピークまで復活していますが、ドル円が昨年の114.57円にまで届かないのは利回りの大幅な下落が頭を抑えているためと考えられます。

tradingview・ドル円&ダウ&10年債・日足(%推移で表記) 2018~

こうして重ねて見ると、少なくとも2018年以降は金利よりも株価によってドル円が動いている様子が見て取れます。ドル円は当面株価次第なのかも知れません。

 まとめ 

最近のドル円は長期的には米国10年債利回りの影響を受けつつも、短期的にはリスクオンやリスクオフなどの投資マインドに強い影響を受けていることが見て取れます。よって、ダウがこのまま上昇を続けるようであれば昨年高値の114.5円に向かう可能性もあるものの、ダウがどこかで一旦調整するようであれば104円方向に向けてずるずると下落する可能性も十分にあり得る状況であると考えられます。

売るのも買うのもなかなかやりづらい状況ですね。膠着するのも無理もないかも知れません。