原油CFDの価格調整は無視していいのか

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CFD(Contract for Difference、差金決済取引)は現物を持たずに売買の差額のみを決済します。レバレッジを掛けられること、現物取引と比べ手数料が割安なこと、取引時間が長いことなど大変有利な特徴がある金融商品であり、通貨を対象としたFXもCFDの一種です。

 

私は今年から主にリスク分散や投資対象の拡大を目的として商品やIndexのCFDを始めましたが、その際最も取っ付きにくかったのがFXには無い「価格調整」です。例えば、原油CFDの場合、DMM証券、GMO証券口座では月に1度期近から期先への乗り換えがあり、例えば今 34$で保有している原油が明日の取引開始から突然 35$になるといったことが起きます。

 

それじゃあこの時に儲かったり損したりするのかというと、そういったことは一切生じません。むしろ、それを生じさせないようにするために価格調整が為されます。価格の上昇で 1$得をした場合は、価格調整で含み損が 1$加算され、評価額が保たれるような仕組みです。

 

なーんだ、それなら価格調整日の前日に「指値」だけ外しておけば(指値には乗り換え価格が適用されないため、予期せぬ所で指値が掛かることを避けるため)気にすること無いじゃん!原油は待っていればその内上がるだろうから買いまくろー!これが私の価格調整に対する2015年年末の理解でした。

 

しかし、それは本当に正しいのでしょうか!?

 

このグラフは2011~2016年のGMOの価格調整額の推移(青色折線:右軸)です。殆どの月で価格調整額がプラスであるのが確認できます。これは、期先のほうが期近よりも保管や金利などの費用がかさむためです。2015年から直近までの平均では 0.93$であり、毎月1回価格が 0.93$づつ上昇していることを意味しています。

 

しかし実際には価格は上昇し続けるわけではありません(むしろ逆です)ので、買いポジションを持っていると価格調整日こそ評価額が変わらないように調整されますが、実際は毎月 0.93$づつスワップを支払っているのと同じ分、自然な価格低下圧力に晒されていることを意味します。

 

仮に原油を40$とすると、1年で 11$分、28%にも相当するスワップを支払わなければ買いポジションを維持できない計算になります。もちろん、売りであれば1年で 11$分もらえる計算です。

 

以上のような理由から、

長期投資なら買いはだめじゃん!原油はもう暫くは安値だろうからループイフダンで売りまくろう!これが私の2016年現在の理解です

 

 

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