政策金利と米株の関係性。利下げが株価にプラスだと!?

X(旧Twitter)にて、利上げが終了したら株価が好調になるという投稿を見つけた。どうやらテレビ東京系列の「ニュースモーニングサテライト」で出てきたグラフのようだ。

利下げは株価にネガティブという印象があっただけに何だか違和感を感じたので、過去の値動きが実際にどうなっていたのかを調べてみた。

 

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 米政策金利 vs インフレ率 vs 株価(S&P500) 

米政策金利(赤:DEF Federal Funds Effective Rate、実数%軸表示)

S&P500(オレンジ:SPX、対数$軸表示)

前年同月比CPI(下の青:消費者物価指数、実数%軸表示。CPIAUCSLを表示し、インジケーターROC(レート・オブ・チェンジ)でパラメーターを12(months)にすると前年同月比CPIになる。CPIAUCSL自体は非表示にしている)

 

 

1950年以降の月単位

 

利上げ開始時を縦の緑線で、

利下げ開始時を縦の青線で表示し、8%以上のCPIの時期は黄色のBOXで囲ってある。

これを見ると、利上げ自体は基本的に株価にプラス傾向で、利下げは(一時的には)マイナスな傾向。但し、高インフレ時は利上げも(一時的には)マイナス傾向の模様。

 

よく見ると利上げ停止から利下げまでの僅かな期間だけは確かに株価が上昇する傾向もありそうだ。とは言え、実際に利下げが開始されるとタイムラグがあったりなかったりするものの、少なくとも一時的には株価がガクッと下げている(株価は対数表示なのでかなりの下落率)。

 

FedWatchによると、2024年の3月から年末までに5回の利下げ(5.25% → 4%)が織り込まれている様だが、1970-80年代には急激な利下げでより激しいインフレ第二波を起こしてしまったというトラウマがあるだろうと考えられるので、流石に現在の利下げ期待は過剰に思える(*この数値はよく変わるので特に数ヶ月先の未来に関しては全くアテにならない)。

 

 

FedWatch:2024年12月18日の金利予想 (23.12.5時点)

 

とは言え、利下げ後の下落はほとんどが数年で戻しているので長期投資ならば特段気にする必要は無さそう。ただし、短期で売買するつもりの銘柄なら利下げ前にさっさと売り抜けてしまったほうが安心かも知れない 🧐

コメント

  1. ふなむし より:

    そうなんですよね。一般的に金利と株は逆相関と言われており、一時的にそういう動きをしますが、長く見るとだいたい順相関です。
    今回も1年前の株が軟調な時、経済解説者や有名YouTuberがこぞって金利と株価の関係を話していましたが、そのあと金利が上がっても株は戻って来ました。
    モーサテやなんとか太郎が言う通り、今まで利上げ終了からしばらく株価は堅調な事が多かったですが、そのあと必ず暴落してますから、結局はチキンレースです。
    1年前と違って今は市場が強気ですし、今回は新NISAの開始時期が重なっていますので、どうも嫌な感じなんですよねえ。

    • Tochi より:

      こんばんは!

      >そのあと必ず暴落してますから、結局はチキンレースです。
      とは言えタイミングを測るのは激むずですよねー、もしそれができれば例え方向を外しても勝てるほどに。。

      >今回は新NISAの開始時期が重なっていますので、どうも嫌な感じなんですよねえ。
      NISAの年初一括投資は如何にもカモられそうですね!
      まー考えても判る訳はないのでやっぱ長期投資がベストっぽいな~。

  2. より:

    こんばんわ。
    利上げが止まって利下げ、逆イールドが解消される時に株が暴落する
    可能性が高いといわれているようですね。
    その時は、既に経済がボロボロになっていて株が下がるのか、リセッションを
    見越して株が下がるのか?卵が先か鶏が先か、みたいな話ですね。

    利上げの副作用なしで、ノーランディングやソフトランディングはあり得るのか
    はなはだ疑問ですね。今回だけは違うと主張される方もおられますが。。。

    結局、高金利に耐えられなくて、ボロボロになって、利下げ(QE)を
    やらざるを得ない状況に追い込まれているのが毎度おなじみの景色のような。w

    • Tochi より:

      こんばんは!

      >既に経済がボロボロになっていて株が下がるのか、リセッションを
      見越して株が下がるのか?卵が先か鶏が先か、みたいな話ですね。
      なるほど。どっちも怖いです!(笑)

      >利上げの副作用なしで、ノーランディングやソフトランディングはあり得るのか
      はなはだ疑問ですね。
      確かに。経済の過熱であるインフレは抑えるのに、経済活動は損なわないというのは単なる言葉遊びである様な気がしますねー。
      いや、もしかしたらFRBに未来を見越した完璧な調整が可能なのであれば出来るのかもしれませんが、だったらその完璧なFRBが何故、今回はインフレという調整ミスを起こしてしまったのか?もしかして完璧からは程遠いのではないか・・、などと。
      そもそもコロナ後は「インフレは(サプライチェーンの問題なので)一時的」とずっと言って来たのにあっさりと外しているので余り期待はできそうにありませんねー。

      一方で、1970-80年代のインフレと比べるとピークが大したことはない点と、既にかなり低い水準に戻ってきている点は希望でしょうか。