最近よく聞くIG証券の「S&P500 CFD」の手数料をGMO証券、現物と比べてみた

米株の上昇を見てIG証券を猛烈プッシュするトレーダー(アフィリエイター?)さんが多いので気になって手数料はどうなのが調べてみました。

IG証券の売りとしては「ノックアウト・オプション」や「ノースリッページ注文」のようですが、「ノックアウト・オプション」はIFDOCO注文(利確と損切りの同時注文)をすればいいだけだし、土日などで急変した際に指値で確実に決済できる「ノースリッページ注文」は一見素晴らしいのですが、恐らく中身は単なる保険なので、保険料のほうが保険金よりも割高であろうことは想像に難くないので今回はそれ以外の手数料などの特徴に関して調べてみました。

 

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 手数料の比較 

最近米株(主にS&P500)を漁っているTochiは手数料が圧倒的に安いGMOと現物株(VOO)を購入しています。そこでこれらと比べ、IG証券に優位性があるのかを調べてみました。

S&P500の場合 GMO証券 IG証券 米国株(VOO)
為替手数料 なし 往復1%(1万円/100万円) SBI証券なら往復0.042%(420円/100万円)で可能
売買手数料 なし なし 購入:なし、売却:~20$
スプレッド 片道0.5 片道0.4~1.5 なし
金利

年4回価格調整

ファンディングコスト(10Lotで-450円/day) なし
配当 価格調整に含む

あり

あり

レバレッジ 10倍

10倍

1倍

メリット ・取引コストが安い

・個別株が豊富

・ノースリッページ注文が選べる(保険?)

・取引コストが安い

デメリット

・金利と配当が打ち消すため実質金利も配当もほぼ無い

・(セーフティバルブシステムのせいで余力の計算に損失が2重計上されるので)下落時は現物よりも資金効率が悪い

・注文が最大二週間で勝手に取り消されるので再設定が面倒くさい

・ロスカットレートがポジションごとに勝手に近場で設定されるので手動で変更しないと証拠金が十分でもいつの間にかロスカットされてしまうことがある

・取引コストが高い

・???(使っていないから詳細不明)

・ドルの調達が手間(タイミングが難しい)

*IG証券は口座開設してないため詳細が不明なので2019年9月時点のデータを引用。米国の大幅な利下げで現在はファンディングコストを下げた可能性もある。とは言え、基本的に売りでも買いでも取られる様なので、単なる金利ではなく手数料の一種と考えるべきか。

ref) https://crypto-theta.com/cfd/cfd-sp500/

 

今現在のIG証券のファンディングコストが不明なのではっきりとは言い難いですが、まず為替手数料はバカ高いし、ファンディングコストも無視できない程度には高そうです。数日~1ヶ月程度の短期ならともかく、数ヶ月の中期ならGMOか現物株、数年の長期なら現物が手数料の点では圧倒的に有利そうです。

なお、IG証券のCFDの手数料は他の証券会社と比べて高いわけではなく、GMOが特別安いだけです。レバレッジを掛けて短期で個別株を売買する際にはIG証券のCFDが有利です。

 

 ただしGMOも気をつけないとアブナイ! 

GMOは現物と大差ないか場合によっては現物よりも手数料が安い場合もあるほどです。何故こんなことが出来ているのかを想像するに、GMO特有の「セーフティバルブシステム」や「ロスカットレート」に秘密があるように思えます。

「セーフティバルブシステム」は証拠金維持率とは別に、予め設定したレートで個別ポジションをロスカットするシステムです。一見有り難いようにも思えますが、「取引余力」の計算時に任意証拠金としてロスカット分の金額が引かれ、さらに評価損額も引かれるので、余力の計算に損失が2重計上されることになります。取引余力がマイナスでも問題ありませんが新規注文や「ロスカットレート」を引き下げることができなくなります。

 

GMOの取引余力の計算方法

取引余力=口座残高-未決済損額(プラスの場合は0)-拘束証拠金(任意証拠金+普通の証拠金)

 

それで何がまずいかというと、レバレッジ1倍で取引していても損失が2重計上されることで50%の下落で強制ロスカットを食らってしまうことです。レバレッジ2倍ならわずか25%で強制ロスカット。

GMOのCFD取引はレバレッジ1倍でも50%の下落にしか耐えられないので要注意!
米株インデックスや個別株、原油やゴールドなどをレバレッジを掛けて取引できるCFD、取引時間が長く、ドル調達も不要なので非常に便利です。反面、隠れ手数料があったり、リスクが高いというデメリットがあります。CFDを取り扱っている証券会社の中でも

 

また、新規建前を持つとポジションごとに勝手に「ロスカットレート」が設定され、手動で変更はできるものの取り消すことは出来ません。つまりGMOは手数料を安くする分、顧客のロスカットで儲けるようにシステムを特化させているのかも知れません(呑んでる?)。

 

この安い手数料の旨味を享受しつつ、ロスカット誘導から身を守るためには、少ない資金で取引を行い、暴落時には他から資金を持ってくるなどしてレバレッジを1倍以下にできるような範囲で運用することが一つの方法と考えられます。例えば少額で手動ループイフダンとか走らせたら結構面白そうです。

とは言え、頻繁に売買せずに中長期で保有予定の場合は現物一択ですかね (*^^*) 

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