過去50年の平均利回りが年10%以上と驚異的な安定感を誇るインデックス投資、S&P500の自動売買はできないものでしょうか?
証券会社が出しているものは既に幾つもあるのですが、システム利用料が割高なので出来れば自分でやりたいところ。この様な考えで最近、普段FXで使っているMT4(メタトレーダー4)を使ったS&P500の自動売買を開始しましたので設定やシミュレーション結果を公開します。
海外FX、Axioryを選んだ理由
CFDのレバレッジが100倍と高く(FXは400倍)、レバレッジが低く抑えられている国内と比べると、同じリスクで運用した場合でも証拠金が大幅に少なくて済むことが最大のメリットです(後述)。相場急変時のロスカットで資金がマイナスにならないゼロカットシステムも地味にありがたいです(国内も見習って欲しい)。
Axioryは海外口座ですが、口座資金は円建てなのでドルへ交換する必要はありません。
S&P500自動売買の設定を考える
Tochiの好きな自動売買は断然ループイフダン(一定間隔でナンピンと利確を繰り返す手法、トラリピ、トライオートなどとほぼ一緒)です。ループイフダンの運用で最も重要なのはリスクコントロール、つまりどの程度の下落まで耐えられる設計をするかです。
そこで過去10年ほどでS&P500が最大どの程度下落したのかを調べてみました。
S&P500の最大下落比率(2011年~)
最大下落率は年間平均で14%程度、とは言え15%を超える様な下落はコロナを含め3回しかありませんので、15%程度までを想定しておけばかなり安全に運用できるものと考えられます。
その場合の必要資金(=証拠金+含み損)は幾ら必要なのかを計算してみました。
前提として、現在価格4180$、40$値幅(現在価格の大体1%程度)でナンピン&利確、0.01 lot(=現物の0.5ポジション量相当 *Axioryの場合)です。1回の約定による利益は20$です。
最大ポジション数を15、20、60とした場合の必要資金(ドル表記、Axiory 0.01 lotの場合)
13.4%程度の下落を想定するならば最大15ポジション(オレンジ色)として、2,372$以上の資金量が必要になります。仮に23%程度の下落を想定する場合は5,342$、37%程度の場合は9,797$です。また最大20ポジション(灰色)で23%程度の下落を想定する場合6,122$の資金量が必要になります。リーマンショック級の暴落(-56%)に耐えるとすると最大15ポジションでも1.5万ドル以上、最大60ポジションの場合は何と3.4万ドル以上もの資金量が必要になります。
レバレッジがどの様な影響を与えるのかを調べるために、レバレッジ規制が厳しい国内と緩い海外のAxioryで必要資金(=証拠金+含み損)にどのくらいの違いがあるのかを調べてみました。
どのポジション数(横軸)でも海外(Axiory、レバ100倍)の方が資金量が少なくて済みますが、この差は比率で比べるとポジション数が少ない時により顕著であり、15ポジションを持った場合では国内の必要資金は海外と比べて2倍以上(4,815$ vs 2,372$)も必要なのに対し、60ポジションでは1.18倍(40,860$ vs 34,535$)に留まりました。
次にスワップポイントから計算した金利相当額を計算してみました。
Axioryの金利相当額=約-1.7%(21.5.9現在)
https://www.axiory.com/jp/calculate
0.01 lotのロング1日で-10円程度です(*分配金が同程度でるのでほぼ相殺されます)。
Tochiが米株の売買で使っている海外証券口座のIB証券は信用取引の金利が-1%程度なのでそれよりはやや高いですが、国内証券口座は-3%程度ですし、レバレッジ100倍の対価としてこの程度であればむしろ割安な水準だと言える様に思えます。
年間いくら位儲かるのか?最大ドローダウンは?
S&P500を40$値幅(現在価格で大体1%程度)でナンピン&利確、0.01 lot、最大15ポジションでシミュレーション(バックテスト)をしてみました。
2017~2021年のバックテスト結果(4年間)
4年間では、資金が最初より減った(*含み損、緑線の赤丸)のが2回で、大きく減ったのはVIXショックの1回のみでした。とは言え初期費用より700$程度マイナスになった程度です。確定利益(青線)はロスカットをしない設定なので当然右肩上がり!
詳細データ
4年で297回、週平均で1.43回利確
年平均1,436$の利益
最大ドローダウン 5,837$
手持ちのデータのみでシミュレーションしたのでモデリング品質は低いですが、シンプルな売買方法なので大きくは外れていないと思います。最大で6,000$近くの含み損になっているので、ロスカットしないのであればショック時にはそれなりの資金を追加入金する必要がありそうです。
とは言え、年間平均で1,400$程度稼げるので、仮に通常時は2,400$の資金量で運用したとすると年利58%が期待できるという結果です。凄すぎ・・(ΦωΦ)
試しに最大ポジション数を100でやってみると・・・?
2017~2021年のバックテスト結果(4年間)
コロナ時にガッツリと含み損が増えています!それでも初期費用から見ると-2,500$程度の含み損で済んでいます。大きく暴落するまでにある程度時間があればそれまでに稼げた分でかなりショックを軽減できそうですが、そこはまあ運次第です。
詳細データ
4年で397回、週平均で1.9回利確
年平均1,974$の利益
最大ドローダウン 5,882$
年間利益が500$程多くなりました。仮に通常時は2,400$の資金量で運用したとすると年利82%が期待できるという結果です。これはヤバい!
ちなみにですが、銀行の定期預金は年利0.002%とのこと。いえ、参考までに…(-_-)
Tochiのトレード結果とポジション
現在、海外口座2つ(Axiory)、国内口座1つ(Oanda)、合計3つのS&P500の自動売買を走らせています。これらのトレード結果及び保有ポジションをリアルタイムで公開中です!
Axiory「千刻」S&P500 21/4/29~
Axiory S&P500 #2 22/2/17~
Oanda「千刻」S&P500 22/1/28~
*履歴とポジションはチャートの画像クリックで閲覧できます
*赤線が実現損益、オレンジ線が評価額です
>各EAの詳細設定はコチラ
MT4 EA「千刻」の入手と設定
ループイフダン(グリットトレード)にはEA「千刻」を使っています。
基本的にはFX用のEAですが、CFDやビットコインでも使用可能で口座数縛りなども一切無く、設定も自由自在なのでMT4を使うなら1つは持っていた方がいい素晴らしいEAだと思います。
(紹介者コードに「Y1Z5A9」と入力してご購入頂けた場合、特典として設定等の質問コメントに優先的に回答させていただきます。)
自由自在な分、裏を返せば設定が結構難しいです・・。
そこで、AxioryでS&P500を40$値幅(現在価格で大体1%程度)でナンピン&利確、0.01 lot、最大20ポジションでロングのみ、ロスカットなし
の場合のTochiの設定を公開します。AxioryのS&P500の場合、最小単位が0.1$なので1pip=0.1$となる点に注意が必要です。40$なら400(pips)と入力します。
==以下、AxioryにおけるEA「千刻」のS&P500設定==
xAuthKey=XXXX-XXXX-XXXX(*非公開)
xMagicNumber=1000
xMagicNumberSub=9000
xAllowSpread=-1
xSlippage=20
xTradeComment=
xFontColor=13882323
xBuyOpenMode=1
xBuyCloseMode=1
xBuyLots=0.01
xBuyStepLots=0.0
xBuyMaxPrice=0.0
xBuyMinPrice=0.0
xBuyProfitTakePrice=0.0
xBuyLossCutPrice=0.0
xBuyIntervalPips=400
xBuyProfitPips=400
xBuyStoplossPips=0
xBuyOpenStopPips=10
xBuyCloseTrailStartPips=10
xBuyCloseTrailStepPips=10
xBuyAllowPosition=20
xBuySummarizeMode=0
xSellOpenMode=0
xSellCloseMode=0
xSellLots=0.01
xSellStepLots=0.0
xSellMaxPrice=150.0
xSellMinPrice=100.0
xSellProfitTakePrice=100.0
xSellLossCutPrice=160.0
xSellIntervalPips=10
xSellProfitPips=10
xSellStoplossPips=0
xSellOpenStopPips=10
xSellCloseTrailStartPips=10
xSellCloseTrailStepPips=10
xSellAllowPosition=100
xSellSummarizeMode=0
=====ここまで=====
大儲けの予感しかしない ٩(๑´0`๑)۶ ←*毎度の事
=22.1.28追記 必要資金の再計算と国内CFDの稼働=
40$(当時の1%相当)の値幅で行っていた自動売買でしたが、S&P500が上昇してきたので48$(現在の1%相当)値幅に変更しました。これに伴い必要資金が変わるので再計算しました。また、国内口座を追加しました。
=22.2.3追記 利益と税率の関係=
海外口座における税率を計算しました。
=22.2.26追記 最大ポジション数と利回りの関係性=
過去10年の平均では、最大ポジション数をなるべく少なくした方が高利回りでした。
=22.3.19追記 値幅と利確頻度の関係性=
値幅はなるべく広い方が高利回りでした。
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