米株に投資したいけど個別株は難しそうなので複数銘柄がパッケージされていて安全性とパフォーマンスを両立できそうなETF(上場投資信託)をメインにしたい。でも300種類以上あるみたいだけど一体どれがいいの?
米株が強いのはわかるけど、それだけだとリスク分散の点で問題な気もします。そこで今回は米国以外の分散投資型ETFにどのような特徴があるのか、投資対象としての価値が在りそうかどうかを見てみました。
先進国・新興国・ヨーロッパ分散型ETF、VOOとの比較
米国を除く全世界(VEU)、先進国(VEA)、新興国(VWO)、ヨーロッパ(VGK)に分散できるETFの4つを米国大型株で構成されるS&P500(VOO)と比べます。
全世界(VEU)のみが大型・中型株ですが、他はオールキャップです(20.12.30現在)。
純資産はS&P500(VOO、オレンジ色)と比べると小さいですが、どれも資産規模上位の人気のETFです。銘柄数が非常に多く、経費も安め。配当は大差ありません。
では肝心の値動きはどうでしょうか?
米国を除く分散型ETF、過去10年の値動き(2011年~)
S&P500(VOO)と比べるとどれも微妙です・・。少なくともこの10年で見ると殆ど成長していないレベルに見えます。次に騰落率を比べてみます。
騰落率一覧
やはり10年ではS&P500(VOO)が大きく他を突き放しております。ところがここ5年となると新興国(VWO)がいい勝負になってきており、コロナ前からの騰落率では何とVOOを上回っております。コロナの底からの回復はどれもほぼ一緒。
先進国(VEA)はまあまあですが、ヨーロッパ(VGK)はダメダメ。一方で新興国(VWO)の成長が目覚ましい様です。
今後新興国(VWO)の成長がさらに加速するようであれば、S&P500(VOO)に匹敵するか、もしくはそれを上回る可能性もあるように見えます。
次に組入れ銘柄を見てみます。
組入れ銘柄の比較
まずは米国を除くオールワールド(VEU)
中国と日本の割合が多い・・。そして上位企業はアリババにテンセント。まあ時価総額を考えたらそうなるんですかね。
次に米国を除く先進国(VEA)
おお、中国が消えて日本とヨーロッパで大半が占められております。これだとまあ今後もあまり上昇は望めない気がしますが、安心感だけはありそうです。
全く冴えなかったヨーロッパ(VGK)
ネスレにロシュにアストラゼネカ。良さそうな企業ばかりですがなんせヨーロッパ経済が冴えないのでETFも伸びません。
唯一の有望株、新興国(VWO)
いやいや。ほぼ中国ですやん!何と40%以上。今後インドなどが猛追するのかも知れませんが、現状ではほぼ中国のETF状態です。儲かるかも知れないけど政治的リスクも半端ないETFだと言えそうです。
コロナ前からの伸びがS&P500(VOO)を上回ったのは全世界にコロナをばら撒いたけど比較的被害が少なかった中国がメインだったことが1つの要因だと考えられます。
米国を含む47カ国のトータルワールドストックETF(VT)の57%が実は米国株であることと同様に、このETFも分散投資対象としてはやや問題がありそうです。
まとめ
今回見た限り、先進国は米国のみの一人勝ち。そして今後は中国を始めとする新興国(VWO)が高パフォーマンスを出す可能性の片鱗を示しております。
とは言え現状ではまだ米国が圧倒的に強いので、新興国がさらに伸びるのを確認してからでも十分である様に思えました。
ただその際には新興国(VWO)だと中国リスクが高すぎるように思えるので、国別ETFなど他の選択肢がないかに関して今後調べてみたいと思います。
結果:米国を除く分散型ETFは、、、現状ではナシ!(泣)
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