40歳からの妊活。2度目の流産!もう絶望的なのか!?

*妊活関係の露骨な表現が含まれますので苦手な方はここで閉じて下さい。

 

我が家は40歳を超えるくらいになってPuchi(パートナー)の意向で妊活が始まった。タイミング法はことごとく失敗、人工授精の1回目で奇跡的に妊娠するも流産になり、その後自費診療の体外受精(IVF)に切り替え2回連続で失敗の後、保険診療のIVFに切り替えて1回目で2度目の妊娠に漕ぎつけた。

40歳からの妊活。2度目の妊娠!どんな気持ち?
*妊活関係の露骨な表現が含まれますので苦手な方はここで閉じて下さい。我が家は40歳を超えるくらいになってPuchi(パートナー)の意向で妊活が始まった。タイミング法はことごとく失敗、人工授精の1回目で奇跡的に妊娠も流産になり、その後自費診療

 

この年齢だと流産確率は半分ほどと非常に高い。

とはいえ妊娠は2度目だし、前回ダメだった9週の壁も何とか突破できたので今回は流石に大丈夫じゃないかと思ってNIPT(出生前診断)をやり、エンジェルサウンズ(超音波ドップラー心音計)も購入した矢先、今度は12週の壁に阻まれて流産になってしまった・・。

 

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 どんな気持ちか? 

 Puchi(妻)の気持ち 

「悲しいと言うより残念。ガッカリした」とのこと。

成長が多少遅かったので順調とは思っておらず、多少は覚悟をしていたようだ。まだ妊活を諦める気持ちにはなっておらず、むしろ心拍停止を知ってからつわりが一気になくなったことで、趣味だったバイクを再開し、これまでダメだったチーズや生魚を連日堪能し、これまでの具合の悪さがまるで嘘だったかのように元気で活動的になった(前回もそうだったし、hCGが心拍停止だけで急激に下がったとは考えにくいので、つわり自体がかなり気分的な影響を受けていたのかも)。

悲しさが余り無いのは前回同様。妊娠初期ということもあってか、命が宿っているという実感がまだ殆ど無かったことが理由のようだ。これは本当に助かる。

 

 Tochi(夫)の気持ち 

「あーあ」という感じ。悲しいとかは特に思わないし、今だに子供が特別ほしいとも思わないものの、ここまで努力をしても報われない事には心底ガッカリというか、とても残念だ。それに加え、せっかく今回で妊活が終わりだと(勝手に)思っていたのに、「まだ終わらないのか・・」という、うんざり感も今回はかなり強い。

 

 もう絶望的なのか? 

NIPTの結果はまだ出ていないし、流産絨毛染色体検査(G-band法)もまだなので断定的なことは言えないが、80%の胚盤胞で染色体異常が見られる年齢であることを踏まえれば、流産の原因としてはこれが最も疑わしい。

単純計算で2度連続で染色体異常が原因で流産する(もしくは着床もしない)確率は0.8✕0.8=64%もあったと言える。もしこれならば、PGT-A(着床前診断)で胚盤胞のセレクションを行えば流産をかなり避けられるかも知れない。

とある大規模な研究によると、PGT-Aをすることで41-42歳の出生率を2.62倍に出来たし、流産率を0.86倍に低下させることが出来たようだ(下図)。

 

 

年齢別のPGT-Aの効果

Human Reproduction, Vol.36, No.8, pp. 2339–2344, 2021

 

また、小規模な国内の臨床試験でも妊娠率が上昇し、流産率も低下したという話もある(下図)。

 

 

 

どうも35歳以上ではPGT-Aのデメリット(胚盤胞へのダメージ、過剰なスクリーニングによる移植数の減少)よりもメリット(染色体数の異常を減らす効果)が上回る傾向があるようだ。

とは言え、年齢的にスクリーニングを行うだけの十分な数の胚盤胞が得られるのかという問題もあるし、そもそも自費診療になってしまうので費用が非常に高額になるという問題もある(採卵&培養で70万、卵1個の検査が5万とすると、3-5回採卵をすればそれだけでざっくりと240~400万くらいか・・ヤバっ!)。

 

もっと厄介なのが染色体異常以外の不育症(RPL; recurrent pregnancy loss)だ(下図)。

 

 

35歳以上の不育症の原因

Fertil Steril. 2010 Sep;94(4):1473-1477

 

8割程度を占める染色体異常(異数性; Aneuploidy)ならばPGT-Aである程度リスクを減らすことが出来るだろうが、それ以外の原因だった場合はPGT-Aの効果はないだろうし、他の要因を調べるのにも別の検査が必要で、効果的な対策ができるとは限らないし、そもそも原因がはっきりしないことも多いのではないかと推測される。

なぜこれを恐れるかと言うと、前回は8週、今回は10週程度で心拍が停止したらしいので、単純計算でこれ以降の週数で2度連続で流産する確率は0.14✕0.12=約2%しかなかったことになる(下図)。

 

 

母体の年齢ごとの流産率および各週数まで生きていた場合のそれ以降の流産率(%)

Am J Epidemiol 2007;165:1380–1388

 

もちろんたったの2%を運悪く引き当ててしまった可能性がない訳では無いが、他に何か原因があるため、運悪くではなく必然として流産に至ってしまった可能性だって少なからずある様に思えるからだ。

 

この辺りを明確にできればPGT-Aをやる価値があるのかをもう少し具体的に考える事ができるので、取りあえず絶望するのは保留とし、NIPTと流産絨毛染色体検査の結果を待ってから考えてみるのが良さそうだ。

 

それにそもそも論、これほど妊活を頑張ってもダメだったという結果が既に出ているのだから、「更にPGT-Aまでするほどに子供が欲しいのか?」という事も今一度よく考えたほうがよさそうなものである・・(チラッ)。

 

 

(つづく・・)

 

 

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