40歳からの妊活。PGT-Aが終わりそう。何がポイントだったのか?

*妊活関係の露骨な表現が含まれますので苦手な方はここで閉じて下さい。

 

我が家は40歳を超えるくらいになってPuchi(パートナー)の意向で妊活が始まった。タイミング法に始まり体外受精(IVF)まで進み、これまでの成績は2年で2度の妊娠、2度の流産(8週と10週)であり、現在3年目に突入している。

 

高齢の場合は減数分裂時の染色体の分配が上手くいかなくなり、染色体異常(モノソミー、トリソミー)が頻発する事が知られている。実際、2度目の流産は18番染色体のトリソミーが原因であったことから、移植前に胚盤胞の染色体数スクリーニング(PGT-A)をやることにした。

 

前回までに1個の正常胚が回収でき、今回新たに2個目の正常胚が得られたことで採卵の終わりがようやく見えてきた。

 

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 これまでの経緯 

これまでの妊活履歴をざっとまとめる。

 

【妊活履歴】

2022年初め~ 10年以上のレスから一念発起し、タイミング法を何度かトライも不発

2022年夏頃~ 人工授精に切り替えて1発目で初の妊娠も9週前で心拍停止。流産手術後もhCGの下がりが悪く、しばらく妊活中断

2023年3月~ IVF#1:自然周期採卵で8個培養、凍結1個、ポリープ除去後に移植初トライも着床せず

2023年4月~ IVF#2:超低刺激採卵で3個培養、凍結に至らず

2023年夏頃~ IVF#3:低刺激採卵で3個培養、凍結2個、1回目の移植で2度目の妊娠も11週前で心拍停止

2023年年末~ IVF#4:低刺激採卵で2個培養、凍結1個、PGT-Aで正常胚判定

2024年初め~ IVF#5:自己注射を含む低刺激採卵で8個培養、凍結1個、PGT-Aで異数性判定

2024年春頃~ IVF#6:2周期休憩後、自己注射を含む低刺激採卵で2個培養、凍結1個、PGT-Aで正常胚判定

2024年春頃~ IVF#7:自己注射を含む低刺激採卵で4個培養、現在進行中…

 

【IVF詳細】

IVF1回目:Puchi(妻)のこだわりで自費診療の自然周期採卵を試み、非主席卵胞を含む8個の卵胞を採取し、顕微授精後に培養。凍結まで進んだのはday6で胚盤胞に至った非主席卵胞の1個のみで、これを移植したが着床しなかった。

IVF2回目:超低刺激の自費診療(1/8セロフェンを4日)で、非主席卵胞のみの3個に採卵数が減少、顕微授精・培養も凍結基準を満たす胚盤胞は得られなかった。

IVF3回目保険診療に切り替え、低刺激(クロミッドを4日、レトロゾールを3日)で、Lサイズの卵胞3個を採取し、ふりかけ法で受精後に培養、day5、day6に胚盤胞に至った2個を凍結。day5の方を移植し妊娠も11週前に心拍停止。絨毛のG-band法染色体検査の結果、18番トリソミーが流産の原因だと判明した。

IVF4回目自費診療のPGT-Aに切り替え、IVF3回目同様の低刺激でLサイズの卵胞及びSサイズの合計2個を採取、顕微授精・培養し、day6に胚盤胞に至った1個の胚盤胞を凍結。PGT-A検査で正倍数性判定、Gardner分類は3BB。

IVF5回目:IVF3~4回目と同様の低刺激も卵胞の育ちが悪く採卵せず。翌周期には自己注射を含む低刺激(クロミッドゴナールエフ皮下注ペン450 6日)で、Lサイズの卵胞7個及びSサイズ1個を採取、顕微授精・培養し、day5に胚盤胞に至った1個の胚盤胞を凍結。PGT-A検査で3箇所の異数性判定(2番モノソミー、15番トリソミー、16番部分トリソミー)。

IVF6回目:周期が不順になり無刺激で1周期休憩、翌周期にはIVF5回目と同様の自己注射を含む低刺激も遺残卵胞(前周期で排卵されなかった卵胞)があり採卵せず。この対処にプラノバール 14日、翌週期も自己注射を含む低刺激(クロミッドゴナールエフ皮下注ペン450 7日)でLサイズの卵胞2個を採取、ふりかけ法で受精後に培養。卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防に2.5mg フェマーラ(晩)と0.25mg カバサール(朝晩)を5日。day5に胚盤胞に至った1個の胚盤胞を凍結。PGT-A検査で正倍数性判定、Gardner分類は3BB。

IVF7回目:IVF5-6回目と同様の自己注射を含む低刺激(クロミッドゴナールエフ皮下注ペン450 7日)でLサイズの卵胞3個、Sサイズの卵胞1個を採取、Lサイズはふりかけ法、Sサイズは成熟を待って顕微授精後に培養。OHSSの予防はIVF6回目と同様。

 

 

IVF6回目までで、一応最低限の目標だった正常胚2個の回収が終わった。

ただできれば3個欲しいので、もう一度だけ採卵を行う予定ではあるものの、これで仮に正常胚が取れなくてもそれ以上採卵を粘らずに移植周期に入る予定である。

 

予算的にまだ余裕があるという事情に加え、早生まれは成績的にも将来的にも不利であるという研究報告もあるので、何も今急いで移植する必要が無いという事もあって最後にもう一度採卵を行う。

 

 PGT-A結果 

中々胚盤胞が得られず、まだPGT-Aを3個しか行えていない。

結果は以下のようなものであった。

 

 

IVF#4の胚盤胞・正倍数性

 

個人的には基線がガタついているのが気になったが(ノーマライズしていないとか?)、これでも正倍数性とのことだった。初めてのPGT-Aで、しかもたった1個で正倍数性を得られるとは期待していなかったのでラッキーだった。

 

 

IVF#5の胚盤胞・異数性

 

前回と比べると見るからにガタガタである。3ヶ所の異数性とのことだが、どう考えてもそんなレベルじゃないのではないかという気がする。

 

 

IVF#6の胚盤胞・正倍数性

 

随分ガタガタに見えるが、モザイク(B判定)では無く正倍数性(A判定)との結果だった。

・染色体を横断したノーマライズをしていない生データなのだろうか?

・それとも、正常の基準は2.0の上下の点線(1.7 & 2.3)の範囲内ということなのだろうか?

・また、細かい話だがCh9の中央部のデータがない領域は微小欠損ではないと言えるのだろうか?(Ch1にも同じような領域があるが、これは他のデータにも共通しているのでシーケンスができない領域なのだろうと推測される)

 

これらの疑問がまだ聞けていないので移植するまでには聞きたい。

 

 何か傾向はある? 

結果に影響を与えた要素が何かしら推測できればと思いこれまでのIVFをまとめてみた。

 

 

これまでの結果一覧

 

IVF 1~2は小卵胞も採卵する(小卵胞の胚盤胞形成率は極めて低い)特殊なクリニックなので右側のまとめからは除外した。

統計的には差がないとされているが、我々の場合はどうもふりかけ法だと胚盤胞に至る割合が高い傾向がありそうな感じだ(20% vs 60%, n=2)。これはPuchiの卵子が特に顕微授精の物理的ダメージに弱いせいか、もしくは顕微授精は培養士さんの技術力に大きく影響されるので、単に培養士さん運が悪かったせいではないかと予想している。いずれにせよ、ふりかけ法であればこれらの問題は生じない筈だ。

 

また、自己注有りの低刺激よりも無しの方が胚盤胞に至る割合が高い傾向がある様に見える(20% vs 60%, n=2)、ただこれは単にIVF5回目の顕微授精で胚盤胞に至る確率が極端に低かったことを反映しているだけに見える(仮にこの外れ値を除外すると 50% vs 60% となりほぼ一緒)。

 

PGT-Aの正倍数性確率は3個中2個の67%だった。これは平均年齢39歳の日本の大規模臨床試験で胚盤胞全体の26%が正倍数性とのデータよりかなり高いものの、年齢はそれ以上行ってるし、2度連続で流産してるし(内少なくとも1回は異数性が原因と判明)、胚盤胞数は逆に平均よりも少なかったこと等を踏まえると単なるラッキーだったのだろうと考えられる。

 

これらの結果を踏まえると、ふりかけ法精子の質くじ運がポイントだったのだろうと推測される。

 

 

何にせよ、妊活3年目でようやく採卵の終わりが見えてきた。

ただ仮に採卵が無事終わっても、移植の成否、胎児の成長、出産、(精子の高齢化と相関する)発達障害等々、それこそハードルは無数にある。

 

そう考えると、健康な生命の誕生は本当に奇跡だと感じる。

 

 

そして・・妊活はできるだけ若い内にトライすべし!

 

 

(つづく・・)

 

 

== 24.5.18追記 更に1回採卵追加!? ==

既にIVF7回目の採卵が終わり現在受精卵を培養中だが、早生まれにならないような移植時期を検討した所、まだ数ヶ月時間が有るようなので、卵胞の状態がもし良ければもう一度採卵を試して見ようという話になった。

というのも、妊活断念の条件で「43才までに採卵を終える」としたのだが、仮に今ある胚盤胞を移植して妊娠・流産となった場合、この条件に引っかかってもう採卵が行えない可能性が高いためだ(もしやった所で年齢の壁で成功率が急低下してしまう事が想定される)。

 

どうせ移植まではしばらく待ち時間が有るんだし、もし最終的に妊活が失敗した場合、この期間を単に休憩して過ごすよりも出来る限り粘った方が「やれることは最大限やっても無理だったのだから仕方ない!」と納得し易いのではないかと考えたのが一番の理由である。

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