FXの本を初めて読んだら案外面白かった件

もうFXは5年もやっているのに今まで誰かに習ったりまともに勉強したことがない。勉強したからと言って勝てるわけではないだろうけど、もしかしたら変な負けを減らせるかも知れないし、(暇だから)初めて本を読んでみた!

 

スポンサーリンク

 「FXチャートリーディングマスターブック」 

実は積極的にこの本を選んだわけではないく、昔どこかに口座開設したらくれた本だ。ただ著者の井上義教さんは最近、雇用統計のLiveストリームにも出演していた元サラリーマントレーダーの方なので、筋金入りの元プロなのでいい本に違いない!多分!

 

 

 面白かったところ 

基本的には順張りの仕方や考え方、トレンドやその転換点を見分けるのに便利なテクニカルに関する本。わかりやすく書いてくれてはいるものの、ちょっと勉強っぽい所も多く、正直余り頭に入ってこない、、。読破まで読み始めてから半年以上かかった模様。それでもいくつか興味深い言葉があった。例えば、、

 

 「マーケットはロスカットによって動く」 

正確には実需とロスカット。一番多額の資金が動くのは誰かが含み損に耐えかねてロスカットをするときなのである意味当然かも知れないが、これまで余り意識したことがなかった。

 

 「移動平均線の設定と意味」 

短期→5日、中期→20日、長期→75日がオススメとのこと。理由は、それぞれが営業ベースで概ね1週間、1ヶ月、3ヶ月の売買平均コストを意味するから。

個人的にはこの手のテクニカルは意識されやすいポイントを知るための手段なので、参加者が一番使っているであろうデフォルト設定にしていたが、それだと見るチャートによって多少ばらつくので、それなりの根拠とともに明示してくれるのはありがたかった。

 

 「ポジションメイク(と損切り)は成行注文で」 

そうしないと順張りが出来ないし、マーケットで最も有利な条件での約定だからとのこと。よく聞く話だが、順張りを強く意識しているのが印象的。

 

 「MACDとダイバージェンシーがイイヨ!」 

MACDは移動平均線で直近を大きく評価することで、より感度の高い移動平均線として振る舞うテクニカルらしい。チャートのピークとMACD(など)のピークの高さの関係がずれることをダイバージェンシー発生と言い、トレンド転換の可能性を示すので利食いは良いけどポジションメイクは辞めるべし。

 

 不満だったところ 

経験則に基づいて書かれている本なので説得力は有るものの、元理系としては統計学的な根拠が全く示されていない点が何とも気持ちが悪い。

統計は物事の傾向を示すのに最も有効な方法だろうし、計算も簡単にできそうなものなのにデータを全く示さずに経験則で話を進めるだけであれば、O型はおおらかでAB型は独創的とか言う手合の話と何ら差がない。更にうがった見方をすれば、統計を出すと有意差がない(=意味がない)ことが示されてしまうので出していないだけであるとも考えられる。

 

まあ、勝てるのであれば占いでもなんでもイイんだけどー (*´Д`)

コメント

  1. Mineyuki より:

    Tochiさん、統計で解析してください。きっと有意差は出ないと思います!

    • Tochi より:

      Mineyukiさんこんにちは!

      海外では金融工学等で熱心に研究されている分野だと思います。

      適当に日本語でないか探してみると、
      http://www.risk.tsukuba.ac.jp/pdf/group-work2016/slide/2016_group_08_slides.pdf

      などがあり、これは様々な期間の移動平均線のデット・ゴールデンクロスを使った売買の統計計算ですが”一部優位性があった”ようです。
      しかし、「売買手数料以上に儲けられる手法ではない。」と結論づけております。

      アナリストの方々は専門家ですし、恐らく統計学的な手法やその結果を熟知していると考えられるのですが何故一切触れないのか、闇深ですね。。

  2. Mineyuki より:

    Tochiさん、
    情報ありがとうございます!
    やっぱり意味なさそうだと思いました。
    でも、業界には意味がないと言えない事情があると推測します。
    自分的にはスッキリしました。
    ありがとうございます!

    • Tochi より:

      Mineyukiさんこんばんは!

      ちょっと誤解を与えそうな表現だったので訂正します。上の研究では長短の移動平均線の組み合わせと売買方向で67750通りを試し、その内わずか274個がz検定でエラーの可能性が5%以下(=有意差が有る=意味がある)という結果です。

      つまり試した内の99.6%の組み合わせは無意味であり、ごく一部だけ意味のあるものもあったがその手法を用いても手数料が有るため利益にはならないというのが結論だと思います。

      また、移動平均線が無意味なら、移動平均線の計算方法を変えただけのMACDには意味があるとはちょっと考えにくく、MACDのピークを参考にしたダイバージェンスの発生にもやはり信憑性が有るとは思えません。

      とは言え、これは16年間分の日足チャートを使っての研究ですが、移動平均線が機能しやすい長期的なトレンドが発生している時期に限定すればもっといい結果が出るのかも知れないと思います。

      すると次はトレンドの発生や持続、転換を正確にテクニカルで検出できるかどうかという点が問題になります。(多分無いとは思いますが、、)もしそんなテクニカルがあったら是非知りたいですね!