もうすぐ確定申告シーズンです。この時期になると「青色申告は特別控除が65万円あるからお得!」といった内容をよく目にします。そこで白色からもし青色にしたら本当に支払額が減るのかどうかを国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使って試してみました。
FX・仮想通貨は雑所得で!
残念ながらFXは青色申告の「事業所得」として認められないという判例が既に出始めている様です。よって新たに裁判で争う気がない場合には、仮に青色申告をしてもこれらの所得は「事業所得」ではなく、「雑所得」として申告するのが無難そうです。
ref)http://www.kfs.go.jp/service/JP/79/15/index.html, https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/soshoshiryo/kazei/2011/pdf/11618.pdf
FX収益+副業なら青色申告がいい?
個人の副業で「事業所得」として申告できるものとして、
アフィリエイト、せどり、クラウドソーシング、物品販売、YouTuberなどが挙げられます。では、仮にFXとこれらの事業所得があった場合、青色申告にすることで所得税にどの程度の違いが出るのかを国税庁の「確定申告書等作成コーナー(令和1年版)」を使って調べてみました。
ref)https://www.keisan.nta.go.jp/kyoutu/ky/sm/top#bsctrl
シンプルにするために以下を前提条件としました。
給与所得なし(給与所得控除なし)、経費なし
基礎控除は38万円
社会保障費控除は50万円(年金、健康保険料など)
青色申告特別控除は65万円
Case1:FXで大儲け(1,000万円)、副業で少し稼いだ(100万円)場合
白:153.76万円
青:145.03万円(-8.73万円)
副業の稼ぎが100万円位でも所得税額に9万円程の差があります。副業で100万円稼ぐのは簡単ではないのでもっと少ない場合を見てみます。
Case2:FXで大儲け(1,000万円)、副業でほんの少し稼いだ(10万円)場合
白:141.2万円
青:139.67万円(-1.53万円)
なお副業が10万円でも無職の場合は確定申告が必要です。副業で10万円というのはかなり現実的な数字ですが、この場合でも1.5万円以上の差が出ました。住民税、健康保険の計算にも差が出ますので最終的な税金・社会保障費にはもっと差が出ます。
Case3:副業でほんの少し稼いだ(10万円)けど、FXも少し(78万円)の場合
白:0万円
青:0万円
最後に青色と白色で所得税が同じ(課税されない)上限額を見てみました。この前提条件の場合、合計所得が88万円までは青色にしても所得税のメリットはありませんでした。
わかったこと
以上の結果から、
・「青色申告特別控除」の対象となる所得は「事業所得」のみ
・「基礎控除」や「社会保障費の控除」は「全ての所得」が対象
であることがわかります。例えばサラリーマンやFXトレーダーが副業があるからと言って青色申告をしても、給与所得や雑所得をついでに節税することはできないと言うことです(残念!)。
また、
・「事業所得」にできそうな副業の利益が少しでもある場合は青色申告した方が大抵は得
・ただし全体の所得が控除額以下(この場合は基礎+社会保障の88万円)の場合は所得税は変わらない
ことがわかりました。
結論:副業がFXだけなら白でOK、事業所得もあるなら青でGO!
*なお、Tochiはド素人なので内容に一切の責任は負えませんのであしからず…(*_*)
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