ストレスと投資。サラリーマンと進化

投資をするためにはできるだけ多くの原資が必要なので、よっぽどの高給取りでもなければ頑張って節約する必要がある。それに、いざ投資を始めても、刺激を求めてギャンブル要素の高い個別株の短期売買なんてやってしまったら、よっぽどの天才か、さもなくばよほどの幸運がなければ、長期的に資産を増やすのは難しいことだろう。よって、刺激も面白みもないインデックスへの長期投資こそが、ほとんどの人にとっては最も有望な投資手法だと言える。

少し勉強をすれば当たり前に思えるようなこんなことも、仕事や生活にストレスが多いと、これを実行するのはかなり難しいことなのかも知れない。

 

スポンサーリンク

 ストレスの発散にお金を使う 

身近に、投資に興味は持っているけど中々踏み出せない人がいた。話を聞くと、結構な収入があるのに投資は勿論、ロクに貯金もできていなかった。

仕事や生活で精一杯で、高級品を買ったり、好きなことにお金を使うことでストレスを何とか発散し、ギリギリのラインで生活しているといった印象だった。

 

ストレスを水に、心をコップに例えるならば、コップの大きさ(ストレス耐性)こそ人それぞれだが、日々のストレスが過剰だと、ストレス解消をよほど頑張らないと心が保たない(下図)。

 

 

ハートランドごほうび大全集より

 

ストレス解消には色々な方法があるが、現代社会における(安易な)ストレス解消法は、往々にしてお金がかかるものだし、何ならお金を使うことその事自体がストレス発散になっているケースだって案外多いのではないだろうか。

この状態で、例えお金を貯めるためとは言え、ストレス解消法となっている浪費だけを辞めることはかなり難しいに違いない。例え遠回りでも、ストレスを何とかして減らすか、さもなくばお金のかからないストレス解消法を探すべきなのだが、余裕のない生活では現状維持で精一杯、改善するために新たなストレスを抱えるなんて夢物語なのかも知れない。そんな気がした。

 

 刺激目的の投資 

これも身近な人のケースだが、ストレス解消法の一環としてか、投資にギャンブル的な刺激を求めている様にしか見えない人も有る。

男の道楽とされる「飲む・打つ・買う」の打つなのかもしれないが、いつも全財産を1つの銘柄に賭け、「絶対上がるから」といって聞かない。そして案の定、下がって塩漬けになっている事がかなり多い印象だ・・😱

 

ギャンブルは、勝つとドーパミンが出て快感だが、負けるとストレスが溜まる。そして、そのストレスを解消する手段として、勝った時に味わった「ドーパミンシャワーをもう一度!」と脳が司令を出すので、またギャンブルに走ることになる・・(ギャンブル依存症)。これが厄介なのは、同等のドーパミン放出を得るためには同じ賭け金では足りず、どんどん高額の賭けが必要になってしまう点だ。

 

このケースは、投資にお金を求めていると言うより、刺激による快楽を求めていると言えるのかも知れない。別にギャンブルを趣味とすることは全く悪いことではないが、だったらせめて生活に支障を来さない額に留めるか、さもなくば他にストレス解消のできる道楽を見つけなければ、いつか破綻してしまいそうなものである。

やはりストレスの多い生活をしており、いい発散手段が他にないのかも知れない。

 

 なぜ、現代はストレス社会なのか? 

Tochiにも思い当たる節がある。

今でこそ幸運にもストレスフリーの生活(無職)を送れているが、社会人時代はかなりしんどい時期も多かった。それこそ節約なんて省みる余裕がないほどストレスが高かった時期もあったし、「打つ」様な投資風のギャンブルも散々した。人の事を言えた義理じゃない。

 

現代社会はストレスが多い

当然、過去だって戦争や飢餓などで現代よりもストレスが多い時代もあっただろうが、それでもサラリーマンという制度は歴史的に見てもここ数十年の新しいものなので、我々の遺伝子は全く順応できておらず、このことがサラリーマンが極端に高ストレス(環境と本能のズレ)に晒されることが多い原因になっているであろうことは容易に想像がつく。

進化(環境への適応)には数万年という膨大な時間がかかるし、同じくらいの時間に及ぶ環境の安定性もなければ成立しない。残念ながら現代社会にはどちらもないので、案外多くの人が自身の遺伝子と社会環境とのギャップによる高ストレスに晒されながらも、ギリギリのラインで生活しているだけなのかも知れない。

 

だとすれば、節約やインデックス投資なんて流暢な事をいってられる人は、そんな中では一部の勝ち組、たまたまストレスの少ない恵まれた環境に出会ったか、たまたま大きなコップを持っていた幸運な人だということに過ぎないのかも知れない 🤔

 

 

自然に触れるとストレスが霧散していくのが実感できる。せめて自然の近くに住みながら働くことを容易に選択できる様な社会になればいいのに・・

コメント

  1. かず より:

    こんにちわ。

    ①浪費・ギャンブルでストレスを解消⇒お金が減る⇒ストレスたまる
    ②投機する⇒損する⇒お金が減る⇒ストレスたまる

    の悪循環になりますね。

    インデックス投資=長期投資=積立 と割り切れる人はまだ少ない気がします。
    で、私のように、狼狽売りしたり、スポットで高値づかみしてしまったり
    なかなか、合理的には動けないものです。笑

    今は、お金が減ることがストレスです。
    そこから、脱却しないと。。。

    • Tochi より:

      こんばんは。

      悪循環に嵌ると大変ですよね!
      それに、例えわかっちゃいても全然合理的になんて動けませんね(笑)

      ただ自分の場合は、何故か含み損は以前ほどストレスにならなくなりました。
      記録を取るために週に1回しか見ないのもあるだろうけど、なんでだろ、慣れたのでしょうかね・・

      もしかすると、余り「お金が減る」という風に認識していないせいかも知れません。
      良し悪しは判りませんが、お金というよりはゲームのスコア感覚で投資と向き合っているせいもある様な気がします。
      FXの時はこうもいきませんでしたが、米株インデックスならば「例え時間がかかっても、どうせいつかは戻るだろうし」と信じられる事も大きいのかも知れません。

      (信じるものは救われるのか? それとも、足をすくわれるだけに終わるのか!?)
      過去はどうあれ、未来のことなんて誰にもわからないハズなのに、何とも不思議なものですね・・

  2. 山中 一人 より:

    本来、収入を得るためにサラリーマンになった筈なのに、仕事のストレス解消の為に金が無くなり、更に労働しなくてはならなくなるとは、まるで永久機関のような無間地獄ですね。
    彼等、労働者諸君のストレスが、我々のノンストレスな生活を維持してくれているのですから、マジ感謝です。(あまり、大きな声では言えませんけどね・・・)

    • Tochi より:

      >まるで永久機関のような無限地獄ですね
      まさかこの世に地獄があったとは・・!

      そうか、ストレスを誰かが引き受けてくれないと社会って成立しないのかも知れませんね。
      だとすればこれは、こっそりと感謝するべき案件なのか・・。
      何ともヒドイ話です(ハナホジー)