ここ10年ほどメインで乗っている20年前の車両、SUZUKI バンバン200が毎年の様に何かしら壊れます(笑)
メンテ費用がかかりすぎるので、そろそろ新車に乗り換えるつもりでバイクを探していたのですが、気に入ったGB350は受注停止で7月まで注文すら出来ませんし、注文しても人気すぎて当分手に入らなそうな感じです。
仕方ないのでまたバンバン200を修理することにしたら・・大変な事態にっ!
症状(何かブレーキが変)
最近になってフロントのディスクブレーキが「キキーッ」と鳴くようになってきました。そろそろブレーキパッドの交換が必要かな?とは思っていたのですが、もうすぐバイクを買い替えるから、それまでなるべくエンブレとリアブレで停止すればいいじゃん、とたかを括っていました。
でもたまにフロントブレーキを使うと、ブレーキを握る力に応じてなめらかに止まらず、ある地点まで握ると「急にガクンと停まる」様な効きになってきたので、流石に危ないからパッドを交換してみよう!と考えました。バイクのメンテは今まで全部バイク屋さんにお願いしていたのですが、ハンターカブのカスタムで色々と工具も買ったので、人生初の自分で交換トライです!
色々ハードル高っ!
この辺やこの辺の動画(同型のブレーキキャリパー)のパッド交換を見て、パッドの交換だけなら余裕じゃん?と思ったのですが、実際やったら・・その考えは激甘でした(笑)
動画と異なり、
・そもそもブレーキキャリパーがディスクブレーキから外れない
・ヘッドライトが点いた状態でメンテしてバッテリーがあがった
・ブレーキキャリパーのピストンが押し込めない(ピストンの固着)
・ブレーキフルードカップのネジが錆びて外せない
と、トラブルがてんこ盛りでした!
この状態で乗ってバイク屋に行くのも危ないし、これは絶望的かとも思ったのですが・・道具を揃えて一つ一つ解決すれば、作業自体は至って簡単でした。
ブレーキキャリパーがディスクブレーキから外れない!
普通はネジを外すだけでブレーキキャリパーが外れるのですが、ディスクブレーキを長年使っていたためにパッドと接触する部分だけが減ってディスクブレーキに縁ができており、またドライバーなどで無理やり押してもキャリパーのピストンが戻らず、ブレーキキャリパーがディスクブレーキから外れなくなっていました・・。
かなり頑張ってもうんともすんとも言わない。この時点でもう諦めかけましたが、キャリパーをディスクブレーキにつけたままパッドの固定(ピンと支柱の棒)の方を先に外し、パッドを先に取ってしまうことで外すことが出来ました。
喜んだのもつかの間、気がついたらバッテリーが上がっていました!
エンジンはかけていなかったのですが、ハンドルを動かす必要があったのでキーを「OFF」ではなくいつもの癖で「ON」状態のまま長々とメンテしてしまったことが原因です(単なる凡ミス)。やむなく充電器を購入して充電・・。(でもあると何かと便利だしっ!)
ブレーキキャリパーのピストンが戻らない(ピストンの固着)
さて、次はピストンを戻して新しいパッドを付けて完了!・・が大甘でした(笑)
ピストンが全く戻りません。押してもダメだし、トンカチで叩いてもダメ!(これはやっちゃダメ!)
仕方ないので専用工具を買いました。ピストンを清掃するために外すとなるとブレーキフルードの交換も必要になるので、オイルとエア抜き道具も。
ブレーキピストンツール(ピストンを押し込む)
ピストン脱着ツール(ピストンを引き抜く。ピストンの外側をキズ付けないために必要)
ブレーキフルードDOT4(こんなに要らないけど、他のバイクでも使える様にまとめ買い)
エア抜きキット(あるとめちゃ便利。フルードの交換には必須レベル)
パーツクリーナー(揮発性の高い有機溶媒。洗浄と水滴の除去用。あると便利)
その他
・上半分を切った牛乳パックにキッチンペーパを詰めたもの(古いブレーキフルードを可燃ごみに捨てる用)
・キッチン用金たわし、紙ヤスリ(ピストンのこびりついた汚れや凹凸を除去する)
・ブレーキキャリパーシールキット(古いバイクは本来交換した方がいい。けど適合を調べるのが面倒で今回はパス!)
・金やすり(パッドのエッジ除去。無くても大丈夫だけど、鳴くことがあるらしい)
面倒くさいので、ピストンを押し戻して終わりにしようと思い「ブレーキピストンツール」を購入したのですが、これでもほとんど戻りませんでした(笑)
仕方ないのでピストンを完全に外して洗浄しました。
ピストンを外すのは引っ張っても無理ですが、ブレーキを何度か握ると少しづつ突出して来ます。ただし、2つのピストンに同時に圧力がかかるらしく、動きやすい方だけが突出してきます。このままだと片側しか外れず同仕様もないので(実際同仕様もなくなって大変だった)、動く方のピストンだけにレンチなどを挟んでそれ以上突出できなくして、動きにくい方も突出させます。そして最後だけ「ピストン脱着ツール」で回しながらピストンを引き抜きます。
ピストンを抜くとピストンを押していたオイルがドバドバーと漏れてくるので(漏れた)、引き抜く直前にオイルをコック(ブリーダープラグ)から抜いておいたほうがいいかも知れません(ただしそれをするとブレーキを握っても圧がかからなくなるのでタイミングが重要)。
ピストンの洗浄は台所用中性洗剤と歯ブラシなどでこすりますが、突出して外気に触れていた面はゴミやサビで中々きれいにならないので、金たわしなどを使います。それでも取れないゴミやサビは紙やすりなどでこそぎ落とします。それでもキレイにならないようならピストン自体を交換します(1個2千円程度)。乾かしてから外側に薄く「シリコングリス」を塗ります。
キャリパーシールも外し、シールの溝のゴミをマイナスドライバー等でこそぎ落とし、「パーツクリーナ」を吹いて歯ブラシでゴシゴシしてゴミを取ります。
キャリパーシールは洗浄して乾燥させてから元の溝に戻し、こちらにも薄く「シリコングリス」を塗ります。ヒビが入っていたり、ヘタっているようなら積極的に交換したほうが無難です。
最後にピストンをもとに戻して軽く押してから「ブレーキピストンツール」で最後まで押し込み、新しいブレーキパッドのエッジを金ヤスリで落としてからキャリパーに装着し、ディスクブレーキに戻して固定します(規定トルクがわからない場合は、予めペンで最初のネジの向きがわかるように印を付けておくと便利)。
ブレーキフルードの交換、エア抜き
ハンドルについているブレーキフルードカップの蓋のネジが、、サビサビで外れません(笑)
無理やり回すと、ぐにゅっという反応が。。はい、ナメました。
これも速攻で諦めかけたのですが、物は試しとマイナスドライバーをネジにあて、トンカチで叩きまくって無理やりマイナスドライバーのネジ穴を作り、ゆっくりと回した所、何とか外すことが出来ました!
奇跡的に外せたネジ(どこもかしこもさびさび~)
ネジはこれに交換。ステンレスなのでこれならもう錆びない!(ことを祈る)
ブレーキフルードの交換とエア抜きはこの辺やこの辺を参考に行いました。
手順は、
・ブレーキフルードカップを開けてプラの蓋やゴム蓋も取る(汚れていたら洗って乾燥させる)。
・内径4mmの「エア抜きキット」のチューブをキャリパーのコック(ブリーダープラグ)の先端(ゴム栓を取ってから)に装着する。レンチでコックを緩めてチューブの反対側に付けた同キットのシリンジ(注射器みたいなの、しっかりと根本までチューブを差し込む)で古いオイルを完全に吸い出して牛乳パック(のキッチンペーパー)に捨てる。コックを閉める。
・ブレーキフルードカップ内部が汚れているようであれば、キッチンペーパーなどで拭く。
・「ブレーキフルード」をブレーキフルードカップに注ぐ。*溢れるのでハンドルは切らない
・コックを緩め、シリンジをオイルが出てくるまでゆっくりと引く。出てきたらコックを閉める。
・(#1)ブレーキを10回くらい握った後、(可能であればブレーキを握ったまま)シリンジを引いて陰圧を掛けつつコックを緩め、すこしオイルが出てきたら陰圧を掛けたまま直ぐに締める。この際、ブレーキフルードカップのオイル残量に注意し、完全に無くなる前に足す。
・(#1)をブレーキがしっかりと固くなるまで何度か繰り返す(3~4回くらいやった。空気が抜けていないとブレーキを握っても空気が潰れるだけで圧力が充分に掛からないので、ブレーキが軽いままだしブレーキも効かないので要注意)。
・ゴム栓を戻し、オイルを足してネジを締め、ブレーキが効くことを確認して完了!
エア抜き自体は数分で終わりました。動画を見る限り、100均のシャンプーボトルを改造して使うより「エア抜きキット」を使う方が遥かに早いと思います。
いや~想像以上に苦労しましたが、めちゃめちゃブレーキがなめらかに効くようになりました!(*普通)
こんな場所に錆びるようなネジを使うのもどうかとは思うけど・・やっぱりバイクにはカバーをした方が絶対いいと大いに反省するメンテになりました!
=23.6.3追記=
台風二号がやってきましたが、100均の「バイクロープ」でカバーがバサバサするのを防いだら倒れませんでした。これは便利!(でもできればガレージが欲しいナァ・・)
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