米株をドルで買うために必要なドル転の為替手数料は通常25銭ですが、SBI証券の「FXα」経由で行うことでわずか0.2銭で済みます。但し、ドルを円に戻す円転にFxαは使えません。
そのままSBI証券で円転をすると25銭の為替手数料が発生してしまいますので、住信SBIネット銀行経由で6銭で円転できる方法を実際にトライしてみました!(*23.6.15現在)
ちなみに、一般的な証券会社は往復で50銭ですので、例えば100万円の往復で5千円もの為替手数料が発生しますが、この方法で行えば620円で済みます(1$=100の場合)。
① ドル建てMMFの売却
米株を買うために持っているドルや、配当で貰ったドルは、そのままで持っていると米株を売買したり円転した際の為替差損益を自分で計算し、雑所得として確定申告する必要があります。解決策はドルを手に入れたら直ぐにドル建てMMFを購入すること!
MMFなら金利も貰えますし、特定口座内で為替差損益も自動で計算してくれるのでとても便利です。
という訳でTochiはドルを全てMMFにしているので、この売却からのスタートになります。
「SBI証券トップ」 > 「外国株式」 > 「口座管理」 > 「保有証券・資産」の画面の下の方
米ドルはありませんが、野村MMFが2164.09USD分あります。今回はこれを全て売却して円転してみます。為替差益が10,950円発生していますが、特定口座内の損益として処理されます。
なお、受渡日は後日ですが、売却注文後であれば直ぐに米株の購入や、住信SBIネット銀行への送金申込みが可能です。
② ドルを住信SBIネット銀行に送金する
SBI証券のドルを住信SBIネット銀行に送金します。送金手数料は無料です。
「SBI証券トップ」 > 「入出金・振替」タブの「出金」 > 「外貨出金」
「米ドル」をチェック、送金金額を入力します。「取引パスワード」はSBI証券の取引パスワードです。その後、「出金指示確認」をしてから「出金指示」を実行します(*MMF売却の約定前だったせいか、ドル全額は出金できなかった。$2164.09 vs $2129.65。約定後に出金すればこの問題は生じないはず)。
なお、初回のみこの画面で住信SBIネット銀行口座の登録手続きを行う必要があります。
操作履歴のチェック(「入出金・振替」タブの「出金」 > 「入出金・振替 操作履歴」)
6/14の夜に送金指示を行った所、予定日は2日後でした。15時までに送金指示を行えば翌営業日に送金されます。
③ 住信SBIネット銀行でドルを円転する
6/16の朝にはSBIネット銀行にドルが送金されていました。次はいよいよ円転です。
「住信SBIネット銀行トップ」 > 「商品・サービス」タブの「外貨預金・送金受取・送金」 > 「外貨普通預金」 > 「外貨レート・注文」をクリック
ドルを売って円を買うので、「ドル/円」の「売却」をクリックします。
ドルの売却指示
上図の様に口座や注文方法を指定し、売却したいドルの金額を入力します。
次にSBIネット銀行の「WEB取引パスワード」を入力し、「確認する」をクリック。
注文確定画面
残り時間内に「確定する」をクリックで注文完了です(あれ、やや不利なレートに固定されてる・・。タイムラグによる偶然か、それとも意図的か!?次回要チェック!)
約定のチェック(「外貨普通預金」 > 「約定一覧」)
無事に円転できていました。
④ 為替差損益の計算(確定申告用)
FX(差金決済)の場合、為替差損益は雑所得の申告分離課税ですが、外貨預金の場合は雑所得の総合課税で申告します。
この際、米株売却時の為替差損益は特定口座であれば自動で計算され、譲渡損益に含まれます。また、米株売却後に手に入れたドルは、その日中に全額ドル建てMMFを買い付けてしまえば為替差損益が発生しません。また、このMMF売却時の為替差損益も特定口座であれば自動で計算され、譲渡益と合算されるので自分で計算する必要はありません(下図)。
米株売却から円転までの為替差損益のイメージ図
問題は、MMF売却からドルの円転までの期間です。住信SBIネット銀行に送金するのに日数がかかる為、為替差損益が発生してしまいます。これを自分で計算する必要があります。
まずは、外貨建てMMF売却の約定日を調べます。
「SBI証券トップ」 > 「口座管理」タブの「電子交付書面」 > 電子交付サービスの「閲覧」 > 該当する「「外貨建MMF取引報告書(兼)支払通知書」電子交付のお知らせ」の「外貨建MMF取引報告書(兼)支払通知書(PDFファイル)」
6/14の夜に売却注文をしましたが、約定日は6/15(翌営業日。為替レートも6/15のTTBと一致)となっていました。基本的に平日の14:30までに注文を入れた場合は当日中、それ以降の時間であれば翌営業日に約定するようです(参考:外貨建MMF営業日カレンダー)。
なお、この「外貨建MMF取引報告書(兼)支払通知書」が確認できるようになるのは、約定日から2営業日後の15時頃でした。
ドルを購入した(=ドル建てMMFの売却が約定した)のが6/15、ドルを円転したのは6/16なので、両日の為替レートを調べます。
為替レートの参照:「MUFG 外国為替相場情報 1990年以降の為替相場
年月日を入力後、「米ドル」を選択し、検索をクリック(仮に休日などで当日のレートが無い場合は前日のレートを用いる)。
2023年6月15日のドル円為替レート
ドル円の為替レートが3つ出てきます。
TTS:141.39 円
TTB:139.39(141.39-2)円
TTM:140.39(TTSとTTBの平均)円
原則はTTMで計算しますが、継続利用を条件としてTTSやTTBを用いた数値での計算も可能です。今回はTTS、TTBで為替差損益を計算してみます。
ここまでをまとめると、
売ったドル:2129.65 USD
ドル購入日(6/15)の為替レート(TTS):141.39 円
ドル売却日(6/16)の為替レート(TTB):139.32 円
ですので、この間の為替差損益(円)は、
2129.65✕(139.32-141.39) = -4,408 円となります。
これを雑所得として申告します。
なお、発生する為替差損益は仮にプラスでも少額の場合がほとんどでしょうし、部分的なドル転や円転を複数回している場合などは計算がより複雑になります。また、給与以外の雑所得は20万円まで確定申告が必要がないこともあり、円転(や米株購入用に持っているドル)の為替差損益を一々計算して申告している人はかなり少数派ではないかと推測されます。
また(場合によっては確定申告が必要な株主優待やふるさと納税の返礼品などと同様に)税務https://x.com/reika_amoney/status/1739421261615567155?s=20署も把握の手間の割に儲からないので、よっぽど目立たない限りはお目溢しをしているのが実情ではないかと考えられます。とは言え、他にも副業の雑所得があったり、雑所得の合計が20万円を超えるような場合にはキッチリと計算し、必要であれば申告しておいた方が心穏やかに過ごせます!
なお、Tochiはただの素人で専門家でも何でも有りませんので、内容に関する責任は一切負いません。真偽に関しては然るべき専門家にご確認下さい(そしてもし間違っていたら教えて!😍)
=2023.12.26追記 楽天・SBI証券が共に為替差手数料を無料化!?=
無料と行ってもスプレッド分はあるらしく、まとめると
【ドル転】
SBI FXα:0.2銭
SBI:2銭
楽天:1.1銭
【円転】
楽天:1.1銭
SBI:2銭
SBIネット銀行:6銭
となるとのこと。この結果、SBI系を使った往復(0.2+2=2.2銭)と楽天証券での往復(1.1+1.1=2.2銭)が同じ手数料になった。回数としてはドル転の方が多いだろうが、とは言えこの程度なら誤差範囲かと。
SBI系を使うならドル転はこれまで通りSBI FXα経由で、円転はSBIでやるのがお得!
SBI証券と楽天証券、為替手数料タダになったが少~~しスプレッドあった。スプレッド=買いレート-売りレート≒手数料的な。SBI証券はバタバタ発表のせいか笑、スプレッドからキャッシュバック対応中。為替毎日動くしスプレッドはたま~に開く→取引時にレート見てね!※12/19投稿の「注意点」がコレ pic.twitter.com/q8nazrZKVe
— 綾小路麗香/マネー編集者 (@reika_amoney) December 25, 2023
コメント
こんにちは、ご無沙汰です。
無職改め、ホテルマンです。
来年のNISAを見据えて日本株に力入れてます。
3年前に米株教えて頂いた時に、素直にやっていたら・・(笑)
105円ぐらいだったのに。
でも、節税も出来るので、今からコツコツ米株も始めます。
こんにちは~
お元気そうで何よりです!
このところは米株よりも日本株のほうが絶好調のようですね。
もう自分は相場をほとんど見なくなってしまい感覚が無くなってしまったので、この状況いつまでが続くのか、ドル円はどこまで行くのか教えていただけますとスーパー助かります!(=大儲けに悪用!)
あ、Youtubeの収益化、海外では登録数500人以上になったそうです。日本でもその内なるかも?現地情報など発信したら人気沸騰しそうですね!
こんちわ~。
ユーチューブは投資系だとホテルのイメージに悪影響なので・・(笑)
せっかく沖縄の離島に居るのに、勿体ないですが・・。※投資の話もしたいんですけど。
ドル円、どこまで続くのでしょうかねぇ。
自分はそろそろ反転をそうていしてますので、米株も月3万円分づつぐらいで考えてます。
今の143円とかでがっつりはいけないですね。
143円、びっくりですよね
金利差(と金融緩和の違い)だけでは説明がつかないレベルな気がしますが、将来的にもし110円位に戻ったら米株が大損です。何とも悩ましいですねぇ
来年からのNISAもどうしよう。うーむむ・・(ぽいー)