随分前からTwitterでエミン・ユルマズさんという方が「日経平均は令和時代に30万円になる」という個人的には大分無茶に思える主張していたのでその理由に興味を持ち、本を見つけたので早速読んでみました!
知りたかったこと
TochiはIPO(新規公開株)以外の日本株はやっていません。日本の将来性に疑問があるので暴落した時に何年もグリップし続ける自信が持てないことがその主な理由です。にも関わらず日経平均が将来30万円とは一体どういうことなのでしょうか?
知りたかったのは主に以下の点です。
・今後日本は人口減少が加速し、恐らくGDPも減少して行くのに、それでも株が高くなるというのはどういう理屈なのか?
・家電やスマホ、PCやEVの状況を見ていると日本企業の競争力はむしろ急激に低下し続けているようにしか見えないが、どんな分野がなぜ逆転できるのか?
読んだ感想
前半はコロナによる米中関係の変化に関してでした。20年の8月に出版された非常に新しい本ということもあってか、リアルタイムな内容でとても面白かったです。
ただ歴史的な事実を列挙しているというよりは、基本的には中国大嫌い!トランプ嫌い!日本とイスラム圏(特にトルコ)が好き!というユルマズさんの感情に基づいたストーリー構成であり、それに合う様な歴史的な事実を寄せ集めて描かれた小説という印象を受けました。歴史の教科書を読んでいると言うよりは、司馬遼太郎さんの本を読んでいるような感じです。
よく知らないけど経済学者(なのかは知りませんが)ってこんなんでいいの?という一抹の不安を覚えました。
後半は期待していた日本株に関してでした。日本株が上昇する理由として、
・今後米中関係がさらに悪化し(米中冷戦)、間に立っている日本の存在価値が増す
・香港の件でシンガポールではなく、日本が金融ハブになる
・日本株はPERで見ると割安で、自己資本比率も高いものが多いので日本経済の復調と共に急上昇する
・年金や日銀が買っていない中小株は特に割安なのでテンバガーも狙える
・日経平均は2025年で5万円、2030年に8万円を超え、令和の内に30万円になる
・景気循環に応じた株の売買方法、順張り、逆張り、長期投資の考え方
という感じでした。肝心ななぜ日本株なのかはイマイチ消化不良でした。確かにエミンさんの仰るように米中冷戦は日本にはチャンスである様にも思えますが、そもそもそんなチャンスを活かせるほど今の日本に柔軟性や機動力がある様には全く思えなかったからです。
また日本経済の最大の懸念材料であることから将来を語る上では絶対に無視できないはずの人口減少や少子高齢化問題には一切触れておらず、やはり前半同様、まずストーリーありきで、それに合った都合のいい内容を寄せ集めているだけではないかと言う疑念は最後まで拭えませんでした。
例えばコロナ被害が欧米と比べ日本では驚くほど少なかった理由を
マスク習慣、ハグをしない、靴を脱ぐ、おしぼりで手を拭く、箸で食べるなど人との「間」を大事にするから濃厚接触になりにくいためであるという解説があったのですが、この真偽はともかく、反証となるようなテレワーク実施率の低さや満員電車などには一切触れないといった感じです。
まあ恐らくは諸々考慮した上で読み易さやわかり易さを重視して分析を省いたということなのだろうとは思いますが、ちょっと色々と理解が追いつきませんでした。
一方で、株の売買方法に関しては教科書的でしっかりしており、この通りやったら勝てそうだな~という印象を受けたのですが、何ぶんTochiは初心者なのでよくわかりません(汗)
是非とも日本の将来に明るい希望を持ちたいと思って読んだのですが、理解が及ばず希望の泉はカサカサのままで終わりましたとさ (・∀・) 潤いプリーズ
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