40歳からの妊活。つわりが大変そうなので対処してみた結果!

*妊活に関する男性視点での露骨な表現が含まれますので苦手な方はここで閉じて下さい。

 

我が家は40歳を超えるくらいになってPuchi(パートナー)の意向で妊活が始まった。これまでの成績は2年で2度の妊娠、2度の流産(8週10週であった。

現在は3年目に突入し、高齢で頻発して流産の主要因となる染色体数の異常(モノソミー、トリソミー)対策として移植前に胚盤胞の染色体数検査(PGT-A; Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy)を行い、移植した正倍数性胚盤胞で3度目の妊娠中である。

 

過去2回のつわりはいわゆる「食べづわり」で、お腹が減ると気持ちが悪くなるということでしょっちゅう何かをモグって何とか対処できていたのだが、今回は食べている時以外はずっと「薄ら気持ち悪い」らしく、特にピークだった妊娠8~9週付近では吐きこそしないものの、暇があればソファーにうずくまっている様な状態だった。

現在は14週になり、気持ち悪さは大分落ち着いた、ないしは気持ち悪さに慣れてきたようだが、少なくとも傍目には随分元気を取り戻して来ているように見える。低気圧や夕方になると悪化するのだが、夕方のわんこ散歩にも一緒に来るようになった。それでもたまに「うぷっ!」という吐く寸前の様な音を出しており、「あー、相当気持ち悪いんだろうなー」(・・飲みすぎた翌朝的な?)という感じ。

これ、もう少し何とかならないものなのか!?

 

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 つわりの原因と推移 

 

つわりは妊娠によるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の増加と相関があることが指摘されている(下図)。

 

 

https://hanamomo-cure.com/morning-sickness/

 

妊娠検査薬のターゲットでもあるhCGは胎盤から分泌され、母体血中濃度は9~13週頃にピークを迎え、その後15週前後には落ち大分着き、一般につわりと良く似たタイムコースを示す事が知られている(*個人差大)。

 

つわりは妊婦の70~80%程度が経験するとされるが、妊婦によるつわりの有無や重症度の違いは妊娠中の母体血中GDF15(成長分化因子15、ほぼ胎児由来)濃度、及び妊娠前の母体のGDF15濃度と相関があるようだ(下図)。単に妊娠中の母体GDF15量が多いだけではなく、妊娠前の母体GDF15量が少ない方がつわりが重症化する傾向がある(GDF15に対する脱感作の影響だと考えられる)。

 

 

https://www.nature.com/articles/s41586-023-06921-9

 

Fig.1の説明:縦軸(母体血中GDF15濃度)とVomiting(嘔吐)、HG(Hyperemesis gravidarum; 重度の吐き気と嘔吐)の有無に相関が見られる。また、GDF15濃度は妊娠12週まで穏やかに上昇するが、HG群の方がコントロール群よりも濃度が高い傾向が見られる。

 

通常時(非妊娠時)のGDF15は、低酸素、炎症、酸化ストレス、組織傷害などのストレスに応じて分泌されるストレス応答性サイトカインの一種で、摂食行動を制御する内分泌ホルモンとしても知られている(分泌が増えると高脂肪食選択的に摂食が抑制される)。であるならば、妊娠前に低ストレスでより健康な方がつわりが悪化する傾向があるということなのかも知れない。

 

また、妊婦の90%以上が食嗜好の変化を経験し、主に肉やアルカリ性飲料を好むようになるが、これは胎児に先天的な異常を引き起こす可能性のある物質や要因を含んだ食物や感染性微生物を摂取するのを防ぐという役割があるのではないかという指摘もある。

 

 つわりの対処(案) 

 

この様に、最近になってやっとつわりの原因候補の一つが見つかって来た様な状況であり、つわりの治療法はまだ開発されて無い様だ。

しかし、作用機序こそ不明なものの、対処療法として半数以上でつわりが改善し、かつ妊婦や胎児への明らかな悪影響がないとされている物質として「ビタミンB6」や「ショウガ」が知られている(下図)。

 

 

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15051552/

 

Table2の説明:350mg ショウガカプセル(Ginger)、ないしは25mg ビタミン B6(Vitamin B6)を1日3回摂取した場合、Nausea(吐き気)、Dry retching(空吐き)、Vomiting(嘔吐)の各スコアがプラセボ(偽薬)と比較して優位に減少している。(Table 2に記載の)スコアと、改善した妊婦の割合(論文本文中に記載。53% vs 55%)は若干ビタミン B6の方が有効に見える。

 

複数の論文を統合した最近のメタ解析からも同様の効果(但しショウガの嘔吐に対する有効性は否定)が示されている。

 

ショウガは漢方薬に多く含まれる成分であり、吐き気や嘔吐の改善、食欲増進などに有効とされている。一方で、「生」と「加熱・乾燥」させた場合とでは成分が異なり、「加熱・乾燥」によって生姜の辛味成分である「ジンゲロール」が「ジンゲロン」や「ショウガオール」に変化するらしいので、効果が実証されたショウガカプセルに含まれる成分は「ジンゲロン」や「ショウガオール」が多いものと推測される。

このため、当初はスーパー等で売っている「生の生姜」を買ってきて「生姜湯」や「生姜焼き」、「生姜ご飯」などにして摂取しようかと考えていたのだが、その場合だと少なくとも乾燥はしていないし、加熱も十分かわからないので、原材料が国産の生姜粉末がメインのショウガカプセル、<PR>「おひさましょうが」を服用することにした(下図)。サプリのラベルに記載してあった1日の目安は2粒(278mg×2粒=556mg)とのこと。論文の1,050mgよりは少ないが、念の為1日2粒を食後に飲む事にした。

なお、辛味としては「ショウガオール」が強く、スコヴィル値は160,000と、「ジンゲロール」の2.5倍以上になる。「ジンゲロン」は殺菌作用があり、辛味はないとされている。また、「ショウガオール」は「ジンゲロール」よりも強い抗酸化活性や抗炎症作用を有し、(5-HT3受容体を介した )嘔吐シグナル伝達の阻害効果も高い可能性が示されている。

 

 

ビタミン B6は妊娠前から服用している葉酸サプリ<PR>「mitete」にも1日あたり1.3mg 含まれるが、論文の75mgより遥かに少ないため、別途<PR>「ビタミン B6 サプリ」を購入した(下図)。サプリのラベルに記載してあった1日の目安は2粒(20mg×2粒=40mg)とのこと。B6は水溶性ビタミンなので特に問題は無いのかもしれないが、念の為こちらもラベルの記載に従って1日2粒を食後に飲む事にした(miteteとの合計で1日「41.3mg」 vs 論文は「75mg」)。

ビタミン B6はタンパク質分解の補酵素として機能し、摂取することで吐き気にも関わるエストロゲンやトリプトファンの量を正常化してつわりが緩和されるのではないかと推測されている。

 

 

「おひさましょうが」と「ビタミン B6」の錠剤・カプセルの様子

 

一方で、「ショウガオール」等の「ポリフェノール」の妊娠後期(28週以降)での過剰摂取(1日 1,089mg以上)は胎児に影響があるという話が一部である様なので、つわりが問題ない程度に治まって来た際にはmitete以外のサプリの服用は停止する予定。

なお、「生姜焼き」や「生姜ご飯」、「生姜入りの鶏団子」などで調理したショウガを大量に摂取した食後は過剰摂取を避けるため「おひさましょうが」は服用しない様にした。

 

 つわり対処の効果のほどは? 

 

サプリを始めて既に1週間ほどが経過している。最初の3日ほどは大差が無い様子だったが、このところはそれ以前と比べると明らかに元気だし、「吐き気」も少しはマシになってきた実感がある様だ。

 

但し・・既に14週を超えていてhCGの濃度がピークアウトしてつわりが楽になり始める時期だし、同時期に「自宅で胎児エコー」も開始したので、単につわりが改善する時期だっただけか、毎日生存確認をすることで気分が上がって元気になっただけの可能性も全然あるという・・(汗)

 

 

とまれかくまれ、「我が家のつわり問題」が改善しつつある事に相違なしっ!!!

 

・・欲を言えば、ここで一旦サプリを辞めて1週間後とかに今よりつわりが悪化するようならサプリの効果があった可能性が高いんだろうけどなぁ。流石に、ねー?(チラッ)

 

(つづく・・)

 

 

*Tochiは単なる暇な無職であり専門家ではありませんので内容の正確性は保証できません。つわりの対処は必ず専門家や詳しい医師の判断を仰いで下さい。

 

 

== 24.12.12追記 その後の経過1(サプリ開始2週間後) ==

サプリ開始から2週間後(=妊娠15週超え)には、朝や空腹時、もしくは疲れた時ににだけ少し気持ちが悪くなる程度にまで改善した模様。先週よりも更に改善しているのを実感しているとのこと。そう言えば「うぷっ」という音も聞かなくなった。それでも妊娠前と比べると明らかに疲れやすいし、美味しいと感じられる食べ物が大幅に減っていることは相変わらずなので不満が残るとの事(よく食べてるけどね・・)。

なお、(Table2)を引用した論文は3週間、メタ解析の論文郡でも最長が(Table2)論文の3週間で、他は3日~14日間しか服用を試していないし、既につわりも随分軽減してきたようなので、今のところ3週間でサプリの服用を辞める予定。

 

 

== 24.12.19追記 その後の経過2(サプリ開始3週間後) ==

サプリ開始から3週間後(=妊娠16週超え)は、2週間後と変わらずたまに少し気持ち悪くなる程度とのこと。味覚の変化は相変わらずの様だが(一説によると生まれるまではこのままらしい・・)、遊びに丸一日出歩ける様にまでなっているので疲れやすさはある程度回復して来ている様に見える。

つわりが生活に明らかな支障を来さない程度までは回復してきている様だし、既に3週間程度服用しているので、mitete以外のサプリの服用はここで停止し、miteteも1日4粒→2粒(葉酸240ug/day)に減らした(下図参照)。

 

 

葉酸服用量の目安(miteteは1粒で葉酸120ug)

 

 

== 24.12.26追記 その後の経過3(サプリ停止1週間後) ==

サプリ停止から1週間が経過した(=妊娠17週超え)。サプリ開始から3週間後同様、というか更に改善している感すらあり、ほとんど気持ち悪くなることは無くなったようだ。ただ(妊娠前は好きだった)コーヒーを飲みたくない等の味覚の変化は残り、食品によっては食後に口が気持ち悪くなる感じになるらしい。みかんやりんご等の果物、ないしはヨーグルト等なら平気らしく、よく食べている。

サプリを辞めたにも関わらずむしろ回復傾向が継続しているということは、少なくともサプリ1週目以降の回復傾向はサプリの影響というよりは単に週数が進んだ影響がメインだったのではないかと推測される。ただ、最初の数日後に「少しつわりが改善したかな?」と感じた方はタイミング的にサプリの影響だった可能性が高いかも知れない。

まぁ、病は気からというか、プラセボ(偽薬)でも一定の効果が見られる事は非常によく見られる現象なので、今回の例でも「対処してる感」が「改善してる感」をより強固にした可能性は大いに有り得るのかも知れない。

 

今回の反省点:それにしてもどうせやるならつわりが終わりかけてからではなく、ピーク付近でやれば良かったは!

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